安立商店街タウンガイド
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ごか      。    6住吉大社の門前には客待ちの駕籠屋が落語「住吉駕籠」とは笑福亭遊喬さんに聞く、住吉駕籠の聞きどころ・・・古くから多くの参詣者で賑わった住吉大社。その門前にはかつて、客待ちをする駕籠屋がたむろしていたそうです。駕籠屋は体力がないとできませんから、若い男性の仕事です。人の入れ替わりも多くて、今日は西に明日は東にと、まるで雲のように居所が定まらない者も多かったといいます。そういう流れ者を「雲助」、転じてその駕籠屋を「くも駕籠」と呼ぶことがありました。そんな様子を面白おかしく伝えるのが、上方落語の「住吉駕籠」です。ベテランの駕籠屋と組んだ、新米の頼りない駕籠屋。客待ちをしていると妙な客にからかわれたり、酔っ払いに絡まれたりそこへ現れたのが、堂島の米相場で儲けているという旦那。気前よく倍の料金を払うと言います。ところがこの旦那、駕籠屋の目を盗んでこっそりと友達を駕籠の中に呼び込んでしまいます。何も知らない駕籠屋、担ぐと妙に駕籠が重い。そのうち駕籠の中の二人、相撲の話に熱が入って暴れ始め、ついに駕籠の底を踏み抜いてしまいます。駕籠屋が怒って降りてくれと言いますが、「自分は堂島でも強気で通ってる相場師や。下がる降りるは縁起が悪い。わしら二人、中で歩くからこのまま行け」。そんな様子を道端で見ていた親子連れ、「お父ちゃん、駕籠屋の足て何本?」「そら二人で担ぐから四本やろ」「あの駕籠、八本もあるで」「ええ?ああ、ほんに。よう見とき、あれがほんまのクモ駕籠や」今となっては噺の前に説明しなければわからないのですが、「雲助」と脚が八本の蜘蛛を掛けた、すっきりとまとまったサゲ(落ち)です。笑福亭遊喬さんの師匠、六代目笑福亭松喬さんは生前、安立商店街と関わりがあり、その縁で遊喬さんも過去に三年間、安立寄席をされていました。今回、久しぶりにその安立での落語会が復活、住吉駕籠を演じられます。 「駕籠代てね、結構高いんですよ。この噺の中でも相場の倍、二分出すて言うとこがありますけど、一両の半分が二分ですからね。一両言うたらひと財産、時代で上下しますけど十万円とか、そんな感じでしょ。それだけポンと出せる当時の旦那衆の粋な遊び方とか、そういうのも感じてもらえたらええかなぁと思います。」電車や車が通るその昔、紀州街道には住吉っさんに詣でる駕籠が往来していました。その様子を滑稽に描いた上方落語「住吉駕籠」の世界をのぞいてみましょう。平成3年、六代目笑福亭松喬に入門。松竹芸能所属。趣味はミニカー収集、ジャズ・ブルース、レコード鑑賞/どじょうすくい実演、小唄昔は駕籠、今はチンチン電車が通る住吉大社の門前笑福亭 遊喬笑福亭 遊喬しょうふくていゆうきょうProfileのの世世界界住住吉吉駕駕かご籠籠上上方方落落語語

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